【彩の目覚め】第十六話 後輩の興奮

   2022/01/18

ボーイさんの案内で、エレベータホールに到着した。
8基並んでいるエレベータを通り過ぎて、奥の扉を開けて、ぼくと明日翔さんを招き入れる。

明日翔さんが、”あいつら・・・”と言っているので、キャサリンさんたちが何かしたのだろう。ぼくには、意味が解らない。明日翔さんを見ると、後で教えてくれる雰囲気がある。さすがに、ボーイさんがいるまでは、教えてくれないのだろう。

エレベータはすぐに開いた。まず、エレベータを呼び出す方法がすごい。カードキーをかざすだけだ。それだけでいいようだ。エレベータに乗ると、行先を示すボタンが、3階とロビー階と地下しかない。部屋は?

そう思っていると、ここでもカードキーをかざせばいいようだ。階数は解らないけど、動き出す。ロビー階に居たから、下に移動しているのだろう。びっくりするくらいに揺れない。

静かに動き出して、静かに止まって、静かに扉が開いた。

え?ホテルの部屋ってこんなに少ないの?
長い廊下はあるけど、扉が見当たらない。

案内も出ていない。
多分、部屋数は10室もない。

ボーイさんが止まった奥から二つ目の部屋だ。奥と言っても、すごく遠い。マンションで言えば、4-5部屋くらいは離れている。

もしかして、スイートとかいう、石油王が泊まる部屋?

「あいつら・・・。ジュニアスイートなんか確保しやがって・・・」

「せん・・・。明日翔さん。ジュニアスイートって?」

「彩。別に、”先輩”でもいいぞ。俺も、その方が慣れている。アイツらの前では、名前で読んで欲しいけど、二人だけなら、呼びやすい方でいいぞ、愛称みたいで、俺は好きだな。彩に新しい名前を着けてもらいたいほどだ」

”名前が欲しい”は、冗談だとしても、今日は甘えさせてもらおう。ぼくも、明日翔さん呼びはまだ心臓がドキドキする。これからのことを考えると、さらにドキドキして心臓が止まってしまいそう。

「さすがにスイートは無理だろう。ジュニアスイートでもかなり・・・。でもないか・・・」

「え?」

「まぁ値段は、ネットで調べればわかってしまう。まずは、部屋を見るか?」

「うん!」

じつは、探検したくてうずうずしていた。ホテルには何度も泊っている。ビジネスホテルだと、ドアを開けて入って、すぐにユニットバスに繋がるドアがある。その先に、テレビが乗っているテーブルがあって、シングルベッドが置かれている。

ここは、ドアを開けて入ったら、ドアが4つもある。一つはトイレのようだ。
残り3つは?

先輩が、中央のドアを開ける。
え?部屋が広い。会社の会議室くらいある。大きなTVと、柔らかそうなソファー。大きな窓があって、夜景が綺麗に見える。なんか、ドラマとかで悪い人が泊っている部屋に思えてくる。大きなベッドが置かれている。

先輩が頭を抱える。
部屋の中央にある大きなテーブルがあって、大きな花束が置かれている。衣装ケースが置かれているから、キャサリンさんか美穂さんなのだろう。花束は、エリザベスさんかな?衣装ケースとは別に、もう一つの箱が置かれていた。

先輩が、あきらめた表情で、衣装ケースを開ける。

「やっぱり・・・」

「え?先輩?」

「俺と彩のナイトウェアだ。彩の下着も入っている」

「え?ぼくの下着?ナイトウェアって寝間着?」

「そうだな。寝間着といえば寝間着だな。下着は、寝るときようの物だろう。説明が書かれた紙がある。読んでみるか?」

「うん」

美穂さんからだ。
下着は、6着?え?6着?

先輩のスマホが振動する。

「・・・。はぁ?こっちの・・・。まぁ・・・。なんとかなるか?」

「彩。月曜日に、やらなければならない仕事は?」

「え?特に、なかったと思います。昨日のお客さんの議事録と・・・。今週、対応したお客さんへのフォローくらいです」

「そうか・・・。あのな。あいつら、この部屋を3泊予約している」

「え?3泊?ですか?」

「あぁ彩が問題なければ、月曜日に有給を取って休もうと思う。どうだ?」

土曜日。日曜日。月曜日。あっ火曜日は、もともと休日だ。え?ぼく、先輩と日曜日と月曜日は二人っきり?いいの?

「え?休んで・・・。大丈夫なのですか?」

「問題はない。申請は俺が許可を出せば通る。ノートパソコンは、残念なことに車に積んでいるから、ここでメールや諸対応ができる」

「・・・。先輩。わがままですが・・・。休みたいです。そうしたら、日曜日も月曜日も、先輩を独り占めできます」

「そうだな。彩も俺も、今週は大変だったな。休んでも、大丈夫だろう。あの上司殿も金曜日に逃げたから・・・。平気だ。それから、彩。火曜日も一緒だからな。ホテルから帰っても、俺の部屋で過ごすからな」

「え・・・。あっ。はい。お願いします」

だから、下着が・・・と、思ったけど、違っていた。
先輩と初めてを迎えるときの下着と、日曜日と月曜日にデートするとき用の下着だと書かれていた。あとは、帰りの下着?え?夜と昼で下着を分けるの?いいの?そんな贅沢をして?6着ってぼくが持っている下着の数よりも多い。
ナイトウェアは、お風呂上りに着るように書かれている。
それから、キャサリンさんからも書かれていて、日曜日と月曜日と火曜日の服装が書かれている。カジュアルな服装だ。先輩の服も一緒に入っている。並んで歩いても大丈夫な服だと書かれている。それに、靴も入口のシューズボックスに入れてあるから、しっかりと履き替えるようにと書かれている。

美穂さんから助言で・・・。
日曜日は、痛くて歩けなかったら、明日翔さんにしっかりと言った方がいいと・・・。明日翔さんだから、優しくするとは思うけど、実際にはわからない。だから、痛かったり、だるかったり、つらいと思ったら、しっかりと伝えなさいと書いてあった。
意味が解って、ドキドキが早くなった。多分、顔全体が赤くなってしまっているだろう。身体が熱い。恥ずかしい。でも・・・。期待している。

最後に、アスナさんからで、化粧は難しいだろうから、普段のメイクと同じように、化粧水とファンデーションを薄く塗るように書かれていた。ぼくの肌にあう化粧水とファンデーションを置いておくから使うように、あとお風呂の前に化粧落としを使うようにと書かれている。

先輩と部屋を見て回った。
びっくりの連続で、興奮してしまった。

笑っちゃったのは、トイレだ。
通常は、トイレは扉の方を向くように座る(和式は除く)。ホテルに付けられたトイレは、反対向きになっている。外が見えるのだ。さすがに、全部ではない。座るとぼくの身長だと、ちょうど目線の高さくらいに窓の端がくるようになっていた。なんで?と思ったが、こういう物だと受け入れるしかない。
トイレは二つ付いていた。もう一つは普通のぼくが思い描くトイレだ。広さは、ぼくが知っているトイレの3倍くらいだが、他は一般的だと思う。

お風呂は広かった。
二人で並んで使っても大丈夫。洗い場も横になっても大丈夫だ。それから、サウナが付いていた。ぼく、サウナをつかったことがないから楽しみだ。あと、露天風呂もある。ベランダ?というには広すぎる場所に、二人で入るとちょうどいいくらいのサイズのお風呂があった。先輩がいうには、ジェットバスになっているらしいので、夜に試してみようと言われた。すごく楽しみだ。周りを見ても、覗かれる心配はない。ぼくなんて覗いてもつまらないだろう。

寝室?も広い。大きなキングサイズのベッドが置かれていた。びっくりするくらいにやわらかい。語彙が足りないのは解っている。でも、他にいいようがない。寝室にはTVがないと思ったら、プロジェクターが付いていて、スクリーンに投影されるらしい。ネット系の配信番組も通常の民放も入る。CSもBSも映るらしい。それから、有料だけど、映画も見られるようだ。
先輩が、”彩が好きなエッチなビデオとかあれば見てもいいよ”とからかわれた。先輩のわき腹をくすぐってお返しをした。

ベッドで軽くキスをしてくれた。
すごく優しい。キスだ。

「彩。お風呂に入ろうか?」

「はい」

ぼくは・・・。